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2008年5月25日 (日)

貧乏人は

 麦を食え。
 そう言ったのは、池田勇人蔵相だった。

 もっともこの発言、マスコミの意訳だったらしい。
 1950年(昭和25年)のこと。
 統制を外し、米価引き上げを目指す池田蔵相。
 予算委員会で、ある議員が反対の論陣を張った。

 池田蔵相は「所得の低い人は麦を、多い人はコメを食べると
いうような、経済の原則に沿った社会に持って行くことが私の
念願とするところ」と言った。

 これが問題発言とされ、その後の質疑で批判された。

 後日報じられたのが、くだんのキャッチフレーズだ。

 だが半世紀経った今日。状況は全く逆だ。
 貧乏人は麦が食えなくなりつつある。
 どんどん高くなっているからだ。

 小麦を使った商品は、年明け以降だけでも軒並み10%〜20%
値上がりしている。

 近くのスーパーでも、こんな具合だ。

 袋ラーメン 198円→248円
 食パン1斤 180円→260円
 薄力粉   100円→148円
 ゆでうどん  17円→ 21円

 特売品から、姿を見かけなくなって久しい。

 そのせいか、最近、食生活を変えようと言う意見がマスコミ
や政治家あたりから出るようになった。

 麦、肉、油、乳製品を多用する欧米風の食生活を見直し、米
、野菜、魚中心の、いわゆる和食に戻れというものだ。

 確かに、米に限って言えば、自給できる。

 現在、年間生産量1100万トン。
 世界10位(社団法人米穀機構ホームページより)。
 潜在生産可能量は1400万トンあるという。
 
 二次利用も幅広い。
 天ぷら油で車が動かせる現代。
 コメ油も、もしかしたら…という思いがする。

 それに、安い。
 茶碗一杯、大体26円(同ホームページおよびH18年度総務省
小売物価統計調査より)。

 ただ、この安さ。
 品種改良もさることながら、化学肥料と農薬の恩恵もあるだ
ろう。
 いまの資源高、この二つの武器にも影響が出ている。
 もしも、かつてのように、肥料は下肥と堆肥中心、草取りも
手作業という稲作に戻ったら、いまの収穫量が維持できるかは
疑問だ。

 そうなると、いかにコメとて、値上がりが避けられない。

 気になるのは、むしろ食習慣の方だ。
 いきなりコメをもっと食べろといわれて、どれだけの人が対
応できるだろう。

 ご飯だけというわけにはいかない。
 オカズと汁物を調理する技術と、時間の余裕が必要になるか
らだ。

 ご飯とみそ汁、あと一品。
 このアンサンブルを作らないといけない。
 かつてどこの家庭にもあったこの黄金の三角関係。
 聞くと、いまやそちらの方が少数派らしい。

 メニューそのものが、家族バラバラ。
 自分の好きな食べ物を買ってきて、勝手に食べてすますケー
スが少なくないのだとか。
 当然、食事時間もバラバラ。
 へたすると、自分の部屋に持ち込んで、食べている。

 こうなると、何のために家族やってるのかわからない。
 下宿屋と一緒である。
 
 コメ中心の食生活に戻すと言うことは、この家族もどきに、
解体か結束か、二者択一を迫ることになりかねない。

 風呂と同じで、安く上げようと思えば、同じメニューを同じ
時間に、みんなで一緒に食べることになるからだ。

 食生活を変えることは、価値観を変えることでもある。
 強制されるのがつらいのは、そこに原因がある。

 しかし、知らんぷりをして生じるひずみは怖い。

 「ルポ・貧困大国アメリカ」(岩波新書)に詳しいが、欧米
では、低所得層ほど肥満が多い。

 なんと日本も同じらしい。「下流は太る!」(三浦展、扶桑
社)が興味深い。体形格差社会が来たと喝破している。

 長時間労働に伴い調理する時間が惜しい家庭。できあいのも
のを買うか、あるいはとりあえずカロリーのある菓子類で腹を
ごまかさざるを得ない。

 そうなると、肥満一直線。
 欧米では社会的にパージされる。
 日本でも、肥満は低所得者という認識が、上記の著述に見る
ように、広がり始めている。

 コメが太るという意見もあるが、違うと思う。
 それはきっと、副食の問題だ。
 昨日大相撲で優勝した琴欧洲は、体重を増やすため、チーズ
をかけたご飯を毎日丼5杯食べていたらしいが、それは特殊な
ケースだ。

 ご飯茶碗一杯(生米で150グラム)250カロリー前後。
 しかも、水を含んで大体二倍になったものを、ゆっくり消化
する。
 腹持ちの良さ、食後の満腹感が際だっている。

 コメ食はデブになる、というのは誤解だ。

 玄米だと、この満腹感に加え、咀嚼でほどよくアゴも疲れ、
間食がいらなくなる。

 かつて玄米菜食をしていたが、70キロ台後半だった体重が、
あっというまに70キロ台前半まで落ちた。
 筋力は落ちなかった。筋トレが趣味なのだが、ウェイトの重
さを減らさなくてもすんだ。
 かえって、瞬発力も、持久力も上がった。
 核シェルターかと思う深さの都営地下鉄の駅。
 階段で地上まで上がるのが快感になった。

 女優の藤原紀香も、あのナイスバディは和食中心で保ってい
るという。
 触発されて、芸能界に和食ブームが起きているそうだ。
 
 ほどほどに仕事や学業をして、ほどほどの時間に帰り、家族
みんなでほかほか湯気の立つコメの飯を囲む。

 この光景を取り戻すことが、自分と家族の心身の健康を保つ
一番早い道なのかもしれない。

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 関西は大雨、上がったようです。
 各地、いかがですか?

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