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2008年5月18日 (日)

家を買うリスク

 この年になると、家やマンションを買う友人が増えてくる。

 きょうも、うれしげな報告が舞い込んだ。

 首都圏、駅から数分の好立地。
 4LDK、引っ越しも終えた。

 残るは、25年ローン。
 頑張って払ってくれとつぶやいた。

 私はどうしても、家を買う勇気がない。

 盛者必滅って程、サトってるわけではない。

 守らなければならないものは、なるべく少ない方がいいと思うからだ。
 家族だけで十分だ。

 家なんか買って。
 もしも隣に。
 奈良の「騒音オバサン」だの。
 「池田小8人殺し」のあの男だの。

 そんなのが引っ越してきたら、あるいはいたら。
 どうするのだろう。

 安普請は我慢できても、狂人は避けようがない。

 阪神大震災を食ってしまったことも、価値観が変わった一因だ。

 形あるものいつかは壊れる。
 万物流転。
 ものの豊かさは人の幸福をそれだけでは意味しない。

 そういうことに気づいてしまった。

 持ち家が壊れても、公的支援はなかった。
 結果、二重ローンを抱え、家族崩壊したケースはいくらでもある。

 夢のマイホームだったはずなのに。

 家を買って、人生のすごろく上がり、というリーマンの黄金街道が、色あせた。

 自然災害の多いこの日本。
 壊れる可能性のある固定資産はなるべく持たない方がいい。

 そう感じた。

 加えて、人のモラルに共通項が存在しなくなっている現代。
 家の資産価値は、その立地条件ではない。
 周辺の環境と、隣人の人格に左右されると思う。

 人の出入りが激しい都市部で家を買うなど、究極のバクチとしか思えない。

 FPの立場から言えば、不動産として資産を残すのは、得である。
 現金に比べ、相続税評価額は80%程度に抑えられるからだ。

 だから、相談を受ければ、相続を念頭に、購入を勧めるだろう。

 また、借家と違い、手元にとにかく住まいが残る。

 しかし、ローン完済以前に毀損してしまえば、単なる不良債権である。

 個人的には、借家が一番だと思っている。
 「何かあった場合、すぐ逃げられる」というのが、最大のメリットだ。
 持ち家だとそうはいかない。

 それに、現在の借地借家法では、よほどのことがない限り、家主側から店子へ、退去を強制することはできない。

 家賃をきちんと払っている
 家の利用状況が常軌を逸していない

 この2点が成されていれば、ほぼ不可能だ。
 なお退去させたければ、半年以上前に通知した上で、ソレ相応の理由と、立ち退き料の支払いが必要になる。

 いまの日本。
 家も土地も、借りた者勝ちである。

 しかし、条件の良い入居には、それなりの交渉が必要になる。

 例えば、当方。
 いまの家、元々は売り家だった。
 駅から数分。しかしなにぶん古かった。
 新しい物件を好む傾向が強いいま。
 入居者がつかず、家主は困っていた。
 固定資産税もかつかつだったらしい。

 70歳台なので、だいぶ、しんどかったろう。

 買う気はなかったが、貸してもらえないかと言った。

 当初提示された家賃、月10万円。
 5万円でお願いした。
 8万と言ってきた。
 6万円で手を打つと言った。

 家主はいったん渋った。

 2日後、OKという電話があった。

 関西には敷き引きという悪弊がある。
 入居時に、月額家賃の数カ月分から一年分を上乗せしたものを敷金として払う。
 退去時にはそれを差し引いて返すというものだ。

 ひどいときになると、敷金丸々返らず、そのうえ修繕費まで要求される。
 従って、関西で引っ越しをすると、一財産消える。

 ちょっとした家に転居しようと思えば、当初用意しなければならない敷金だけで百数十万円というのは、ざらだ。

 この点についても、やりとりがあった。

 最初、敷き引き5カ月分といってきた。

 5カ月分と言えば、6万円×5カ月=30万円である。

 敷金50万円という条件だったので、敷き引き30万円だと、退去時に返ってくるのは20万円ということになる。

 これを、まな板の上に載せた。

 敷き引き条項は、消費者契約法違反である。
 そういう判例は相次いでいる。
 払わずともよいのではないか。

 正直、いきなり紋切り型で迫るのはいかがなものかと思ったが、そういったら案の定、この話はなかったことにしてくれ、と言ってきた。
 こちらもちょっと強気に出た。
 交渉を止めた。

 3日後。
 20万円、と言ってきた。

 分割ならば払ってもいい、と言った。
 月々の家賃に上乗せして、一年間で払う。
 そうすれば、負担は軽くなる。

 その代わり、原状回復費用は一切払わないことにした。

 そもそも、日常生活で生じる損耗は、修繕費用から除外されるのがルールだ。
 国交省のガイドラインにも、明記されている。

 にもかかわらず、それを無視して、因業大家が店子に負担させていたのが、これまでの日本の貸家事情だった。

 これを、国のガイドラインを厳守する旨、契約書に一筆入れさせた。
 ついでに、更新料もゼロで合意した。

 2カ月かけて、交渉妥結となった。

 もう少し、穏やかに話が進めばよいのだが、借りる側と貸す側、あまりに力関係が違っているのがいまの日本の賃貸業界である。

 「収奪者から収奪せよ」という感じにならざるを得ない。
 悲しいことである。
 従って、借家住まいの人間の最大のデメリットは、転居のたびにこうした力業の交渉を繰り返さなければならないことと言えるかも知れない。

 それを楽しめないと、持ち家の方が気が楽だろう。

 ただ、一つ。
 家を借りるときのコツは、交渉に長い時間をかけることである。
 転勤や転居が決まって、1日で不動産屋を歩いて決めなければいけない。
 そういうのは、やめた方がいい。

 ウイークリーマンションにでも入って、ゆっくり捜せばいいのだから。




【現有ポジ】

●マネパ

●くりっく(インヴァスト証券)

 NZD/JPY 81.50 10万 L
        79.50 10万 L

【現在の一日あたりのスワップ】

 計  3400円
 (NZD ±170円と仮定)
 

【今年の確定損益】

●くりっく 386万340円('07年 ▲64万8810円)
●OTC  0円

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